フィリピンの実用新案に関するよくある質問
- フィリピン法上、実用新案として保護を受けられるものは何ですか?
実用新案の保護を受けるには、人間の活動のいかなる分野におけるいかなる問題の技術的解決であって、新規性があり産業上利用できるものでなければなりません。。製品、製法、改良に関するものであってもよい。
- 同じ発明について特許と実用新案登録を同時に出願することはできますか?
いいえ。特許と実用新案登録の出願を同時にすることはフィリピン知的財産法Section 111で禁止されています。
- 特許出願を実用新案登録出願に変更、又はその逆は可能ですか?
はい。特許出願人は,特許の付与又は拒絶の前のいつでも所定の手数料を納付することにより特許出願を実用新案登録出願に変更することができ,当該変更された実用新案登録出願に は当初の出願の出願日が付与される。同様に、実用新案登録出願人は,実用新案登録の付与又は拒絶の前のいつでも所定の手数料を 納付することにより実用新案登録出願を特許出願に変更することができ,当該変更された特 許出願には当初の出願の出願日が付与される。出願は,1 回に限り変更することができる。
- 実用新案を登録するために新規性に関する実体審査はされますか?
いいえ。実用新案の出願について実体審査はされませんが、方式審査はされます。
- フィリピンでの実用新案の出願にはどのようなルートがありますか?
フィリピンで実用新案の出願をするには2つのルートがあります。すなわち、
- 特許協力条約(PCT)ルート
- 直接出願
- 特許協力条約(PCT)ルート
- 実用新案PCT出願の国内移行の要件は何ですか?
国内移行して移行日を確定するには、出願人は、Art. 22(知的財産庁修正)又はArt. 39(1)(a)に規定される優先日から30カ月以内に、知的財産庁に以下のものを提出しなければなりません。
- 国内書面
- 出願人がPCT/IB/308を受領していない場合であって、国際特許出願が英語でない場合は、国際特許出願の英訳
- Article 19及び/又はArticle 34に基づく補正の英訳
- 国内移行期限の延長は可能ですか?
はい。PCT出願の国内移行の30カ月の期限は、料金を支払うことにより1カ月延長することができます。
- 料金の支払は国内移行の日の確定に必要ですか?
いいえ。国内移行の日の確定に料金の支払は必要ではありません。しかしながら、料金の支払は、国際特許出願を国内段階に移行するために必要です。国内移行の日から1カ月以内に料金を支払わない場合、フィリピンにおいて国際特許出願は取り下げたものとみなされます。
先にされたフィリピン出願を優先権主張の基礎とする国際特許出願は、先の出願において既に支払われた料金は免除されます。
- 国内移行にはどのような書類が必要ですか?
- 英語で記載された考案の詳細な説明(考案の名称を含む)
- クレーム(英語で記載のこと)
- 要約
- PCT Art. 19に基づくクレームの補正がなされた場合、その英訳
- PCT Art. 34に基づく考案の詳細な説明、クレーム又は図面の補正が国際予備審査報告に含まれている場合、その英訳
- 図面がある場合は、図面
- PCT/IB/304フォーム(優先権がある場合)
- 国内移行に優先権証明書の提出は必要ですか?
いいえ。国内移行のために優先権証明書の提出は必要ありません。しかしながら、優先権証明書は、優先日から16カ月以内に国際事務局(IB)に提出しなければなりません。
上記の期間内に国際事務局に提出できない場合、国内移行の日から6カ月以内に優先権証明書をフィリピン知的財産庁に期間延長費用とその他料金表で定める費用を添えて提出しなければなりません。そうしない場合、出願人は優先権を失うことになります。
直接出願
- 出願人はどのようにして直接出願ルートで実用新案出願の出願日を確保することができますか?
出願日を確保するために出願人は以下のものを提出しなければなりません。
- 願書
- 考案の詳細な説明、図面(もしあれば)、1以上のクレーム及び要約
優先権を主張する場合、基礎となる出願の出願日、出願番号、国名を提出しなければなりません。
- 実用新案出願の優先権主張はどのようにして行うのですか?
フィリピン国民と同等の待遇を受けられることを条約、協定、又は法律で定めている国において先に出願をした者が、同じ実用新案を出願した場合、以下の条件を満たすならば、外国出願の日に出願されたものとみなされます。
- 国内出願において優先権主張がされていること
- 最初の出願の出願日から12カ月以内にフィリピン出願がされていること
- 優先権証明書及びその英訳がフィリピン出願の出願日から6カ月以内に提出されていること
- 実用新案出願には何が含まれていなければなりませんか?
実用新案出願は以下のものを含まなければなりません。
- 願書
- 実用新案の詳細な説明
- 考案を理解するための図面(もしあれば)
- 1つ以上のクレーム
- 要約
- フィリピンの実用新案出願の言語は何ですか?
フィリピンの実用新案出願はフィリピンの言語又は英語でしなければなりません。
- フィリピンでの実用新案の登録期間は何年間ですか?
実用新案の登録は出願日から7年で満了し、更新はできません。
フィリピンの意匠に関するよくある質問
- フィリピン法上、意匠として保護を受けられるものは何ですか?
保護を受けるためには、意匠は,線若しくは色と関係付けられるか否かを問わず,線若しくは色からなる構図又は 三次元の形状でなくてはならない。ただし,それら構図又は形状は,工業上の物品又は手工芸品に特別の 外観を与え,それらのための模様として機能することができるものでなければならない。
ある技術的な結果を得るための主として技術的若しくは機能的考慮により特定される 意匠又は公の秩序,健康若しくは善良の風俗に反する意匠は,保護されない。
- 意匠登録の出願日はどのように認定されますか?
出願日を認定されるには、出願人は以下のものを提出する必要があります。
- 意匠登録出願の願書
- 詳細な説明、クレーム、図面
- 異なる視点からの図面
優先権を主張する場合、優先権主張の基礎となる出願の詳細、すなわち、出願日、出願番号、国名を提出しなければならない。
- 意匠登録にはどのような図面が必要ですか?
意匠出願には全ての視点からの図面(斜視図、前、後、右、左、上、下)が必要である。しかしながら、逆から見た図が反転である場合、出願人がその旨を願書に記載すれば、1つの図面で足りる。参考図は追加の図面として受領されるが、必須ではない。
- 意匠を登録するために新規性に関する実体審査はされますか?
いいえ。知的財産法は、意匠出願について新規性に関する実体審査を要求しません。この規定は、意匠登録出願の審査促進を目的とするものです。
- フィリピンで半導体集積回路の回路配置は保護されますか?
はい。フィリピンで半導体集積回路の回路配置はフィリピン法で保護されます。回路配置とは、表現された三次元配置であり、素子のうち少なくとも1つは能動回路素子であって、さらにいくつか又は全ての相互接続集積回路であって、そのような三次元配置は製造を目的とした集積回路である。
- 記号、ロゴ、表面パターン、画面表示、アイコン、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス及び体裁について意匠登録出願はできますか?
はい。
- 記号、ロゴ、表面パターン、画面表示、アイコン、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス及び体裁とは何ですか?
記号とは、文字とは独立して情報を伝達するために用いられる特定の意味を持った視覚で認識できる図形です。
ロゴとは、即座に公衆に認識されることを手助けするために、企業、組織、個人によって、共通して使用されるグラフィック・マーク、エンブレム又はシンボルです。
表面パターンとは、グラフィック製品、デザイン、織物及び美術に印刷された要素です。
画面表示とは、文字又は図形を人に見せるために一時的に表示する表面部分です。
アイコンとは、ユーザーによるコンピューターシステム又はモバイル機器の操作を容易にするためにコンピューター画面に表示される絵文字です。
グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)とは、文字ベースのユーザー・インターフェイス、タイプするコマンド・ラベル又は文字のナビゲーションの代わりに図形のアイコン及び二次的表記のような可視的表示器を通して、ユーザーに電子機器を操作できるようにするユーザー・インターフェイスの一種です。
体裁とは、ギャンブル台のインテリアデザイン、移動店舗の内側部分など、何かを準備するための配置のスタイルです。
- 意匠及び半導体集積回路の回路配置は何年間保護されますか?
意匠は出願日から5年間保護されます。登録は、更新登録料を支払うことにより、5年毎に2回更新することができます。更新登録料は、登録期間満了から遡って12カ月の間に支払います。しかしながら、登録期間満了から6カ月間は、追加料金を支払うことにより更新できます。
半導体集積回路の回路配置は、回路配置の保護が開始した時点から10年間保護され、更新はできません。回路配置の保護は、以下の時点から開始します。
- 世界中のどこかで回路配置の商業利用を開始した、又は権利者の同意を得た日。ただし、当該商業利用の開始日から2年以内に知的財産庁に登録出願した場合に限る。
- 世界中のどこでも商業利用がされていない場合、回路配置の登録出願の日(修正118.5, R.A. No. 8293)。
- 意匠は著作権で保護できますか?
はい。知的財産法Section 172(h)は、製造物品のための独創的な装飾的下絵又は模型(意匠として登録することができるもので あるか否かを問わない)及び応用美術のその他の著作物は著作権で保護される旨規定します。著作権による保護は、原著作物が創作されたときから与えられます。
- フィリピンで意匠登録出願の新規性喪失の例外を受けることは可能ですか?
はい。フィリピン法は、以下の者によって公表された場合、出願において公表された情報の6カ月間の新規性喪失の例外について規定します。
- 創作者
- 特許庁及び創作者によってなされて、特許庁によって公開されていない別の出願に含まれる情報
- 創作者から直接的又は間接的に情報を得た第三者
- 意匠の更新登録にグレースピリオドはありますか?
はい。追加料金を支払うことにより、意匠登録満了日後、6カ月の更新登録料支払期間が与えられます。
- フィリピンには秘密意匠制度はありますか?
フィリピンには秘密意匠制度はありません。フィリピンの意匠登録出願に関する規則には、意匠登録出願の公開の延期について規定されています。意匠登録出願の出願人は、出願と同時又は公開前であればいつでも公開の延期を選択することができます。公開の延期は、出願日又は優先日から最長30カ月間認められます。出願後に延期の申請をした場合、公開が延期される期間は、30カ月間の残りの期間となります。30カ月を超えない期間で、出願人は公開の時期を指定することができます。
- フィリピンでは、複数のデザインを含む1つの意匠登録出願の制度はありますか?
はい。複数のデザインを含む1つの出願は、デザインの単一性がある、すなわち、デザインが全て同じ国際分類のサブクラスに属する場合、又は、物品が同じセット又は組である場合に認められます。
- 同じ物品に付された複数のデザインについて1つの意匠登録出願をすることはできますか?そうすることによる不利益はありますか?
はい。物品がそれぞれ登録できるほど異なっていないこと、及び、単一のデザインコンセプトで表現された実質的に類似するデザインであれば可能です。デザインは全て同じサブクラスに属し、同じセット又は組み合わせの物品である必要があります。
複数のデザインが1つのデザインでカバーされているため、第三者によるそのデザインの一部の模倣は、物品全体の製造の侵害とはなりません。これが複数のデザインを1つのデザインとして出願することの不利益と言えます。
- フィリピンに部分意匠制度はありますか?
はい。部分意匠は登録できます。フィリピンでは、保護を求める部分意匠には、その周辺・外側部分を破線で示したものを部分意匠に付さなければなりません。
- フィリピンでは、意匠出願の分割出願は可能ですか?
はい。フィリピンでは分割出願は可能であり、親出願の出願日及び優先権を維持できます。分割出願の期間は親出願の出願日から5年間で、5年ごとに続けて2回更新することができます。意匠登録を維持するには、登録期間満了前1年以内に更新登録料を支払わなければなりません。
- フィリピン知的財産庁に写真で意匠登録出願をすることはできますか?
はい。出願人は、方式で要求される図面に代えて写真を提出することができます。写真は規則で規定されたA4サイズ用紙に印刷し、写真に図面の番号を写真の近くに黒のインクで記載しなければなりません。
- フィリピン知的財産庁にCADで作成した図面で意匠出願できますか?
はい。墨汁で描いた図面に代えてCADで描いた意匠見本を受け付けます。そのような見本は、特に意匠の図面に関する特別な要件に関する規則に沿ったものでなくてはなりません。
- 意匠登録出願の図面に点線を使用することは許されますか?
点線は、出願人が物品の部分意匠を出願するときのみ使用できます。
- 意匠登録出願に「新規性の宣誓書」は必要ですか?
いいえ。フィリピン知的財産庁は、新規性の宣誓書を要求しません。
- 意匠登録出願にデザインの全ての部分の説明は必要ですか?
いいえ。デザインの全ての部分の説明は不要です。図面のいくつかの視点について簡単な説明のみ提出しなければなりません。
- 第三者は意匠登録出願に異議申立できますか?
いいえ。意匠登録出願に異議申立をすることはできません。しかしながら、第三者は意匠登録出願に情報提供をすることができます。意匠登録出願の出願日から30日以内であれば誰でも、引用例を付けてその意匠の新規性や産業上の利用性を含む登録性に関する情報提供を書面で提出することができます。
情報提供は、個人情報、宣誓供述人の状況及び登録に反対する理由を述べた宣誓供述書によってなされます。宣誓供述書は、証拠により立証され、登録可能性に関する報告書を添付することができます。知的財産庁は、上記の要件を満たさない情報提供を考慮しません。さらに、当事者は、出願、登録手順、登録制度一般に関する理解を深めるため、知的財産庁における会議を要請することができます。当事者は、要請から30日の間で、会議に出席できる日を3日挙げます。知的財産庁は会議の要請を受けて、追加情報又は反対情報に関する説明を求めることがあります。会議から10日以内に当事者は宣誓書の形式で新しい情報を含む追加の反対情報を提出できます。全ての反対情報は出願人に通知され、出願人は通知の発送日から30日以内に意見を述べることができます。提出された反対情報の写しとそれに対する出願人の意見は、その出願の包袋に収められます。
規則に則った反対情報のみが意匠登録出願の登録に際して考慮されます。知的財産庁は、反対情報を提出した当事者に意匠登録出願に関する決定について通知します。